Abu Dhabi Shangri-La Hotel
UAE
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ペルシャ湾に面するUAEの首都アブダビ。豊富な石油資源を元に近年で大きな発展を遂げ、中東一の国際都市となった。以前に滞在したドバイで見た派手さはなく、落ち着いた雰囲気がある。町中心部の通り沿いには土色の大きな門構えの邸宅が並び、街路樹の緑が美しい。
都市をも覆いつくそうとする砂との闘いは終わることがなく、都市構築にかける執念の様な力強さを感じる。
世界一豪華で美しいと言われるシェイク・ザイード・グランド・モスクから車で10分ほどの場所に、シャングリラ・ホテル、カリエット・アル・ベリはある。海峡沿いには、名だたる外資系ホテルが並んでおり、本ホテルも1km程のプライベートビーチを有する。
ホテルはベネチアの町並みを意識した様なつくりで、張り巡らされた水路上をゴンドラが行きかう。建物の配置にも趣向を凝らしていて、広大な敷地にありがちな「だだっ広さ」を感じさせない工夫がされている。
まるで水路を辿る様にうねうねとした廊下を抜け、通された部屋はアラビアンデザインを随所に取り入れたデザイン。部屋は全てウォーターフロントに面しており、カーテン越しに明るい光が差し込む。
内壁や扉、ヘッドボードにエアコンの吹出し口まで施された曲線美。やりすぎるとうるさく感じられそうだけど、場所柄のせいか、むしろローカル色が心地よく感じられた。
ドラマチックなのはバスルーム。観音扉を左右に開けると、天然石に囲われた浴槽が目に飛び込んでくる。床と奥の壁面にも、やはりアラビアン装飾をモザイクで施している。
特に印象的なのはシャワーブース。モスクのドームを思わせる形に切り抜かれた天然石の入り口が、何か神聖なものへ入っていく様な気持ちにさせる。中も広々としていて、奥の壁面は一部切り取られており、座って洗える様になっている。入口と壁面のデザインを合わせることで、まるで鏡を使ったように、奥に広く見せる効果がある。
共用部は全体的に温かい色味の照明で、年中を通して差し込む明るい陽射しをふんだんに取り入れるインテリアたち。レストランにはシェフが腕を振るう世界各国の料理がずらりと並べられている。
ビーチへと続く手前にはプールがあり、その先はすぐ海へと続く。デイタイムには子供たちの声が響く明るいビーチサイドが、夜はカクテルを片手に音楽を楽しめる大人な雰囲気へと様変わりする。
アブダビの夏は長い。日中40度を超える様なうだる暑さの中、快適なプールと安全なプライベートビーチがあるのは嬉しい。規模が大きい分、食事やスタッフのサービスに大手チェーンのような感じはあるものの、サービスレベルは満足のいくものだった。